新車の転売は儲かる? 大損する危険性あり プロとして注意喚起

元車買取店のサトーです。

昨今、新車を買ったらすぐに転売をしている人が増加しています。業者オークションを見ると「え?この車種は転売禁止じゃん」という車でも、多くの未使用車が流通しているというのが現実です。

 

もちろん本当に欲しい人に車が届かない転売はNG行為として認知されていますが、結局のところ儲かるのであれば法律で禁止されている訳でも無いので、いくらダメだと言ったところで無くなる理由もありません。

 

「どうしても転売して儲けたい!」、なんていう方は多いのではないでしょうか?

ただ、逆に大損する危険性をはらんでいるので気をつけて下さい。この記事では儲けが出る可能性のある車も紹介しますが、大きなリスクがあるという事も理解しておいた方が良いと思います。

 

新車よりも高く売れる中古車

初めて聞く人にとっては「そんなバカな!」と思われるかもしれませんが、実は中古車業界の中では昔から有名な話です。ところが2019年以降から、とんでも無い金額で売却される、新車価格越えの中古車がめっちゃ増えました。

 

2018年くらいまでは、アルファードのS Cパッケージというグレードで、且つ特定のオプションを付けた1年落ちの中古車が新車よりも100万円くらい高い金額で売却ができる、というのは中古車業界ではけっこう有名な話でした。

 

また、代表的な車種で言うと、ジムニーやジムニーシエラの現行モデルが発売されて以降、新車を買ってすぐに業者オークションに転売するとおつりが出るという現象もあり、中古車屋さんの社長さんで転売している人も結構いました。というか今もいます。無くなる筈もないですよね・・

 

海外各国の輸入の法律による要因

一つの要因としては、海外各国の輸入規制(法律)によるものでした。

 

例えば、新車の輸入が禁止されている国は、中古車しか輸入する事ができない。または新車を輸入する際に莫大な関税がかかるため、市場価格も比例して高額になり、中古車を輸入する方が安くなるため、結果として日本の中古車価格が高騰するというのが理由です。

半導体や円安、世界情勢による要因

2019年頃からは半導体不足で新車が供給不足になり、多くの車種の中古車が新車の価格を超えるという異常事態にまで発展しています。それ以外にも、円安、コロナの蔓延による工場停止、戦争、新興国の急速な経済発展、等の複雑に絡み合った要因が重なり、相場が異常に高騰しました。

 

素人が手を出すと危険な理由

私自身、現在は車買取店の様なボッタくり商売はもうやりたくないので、業者オークションへの出品代行をする事で手数料のみを頂く仕事をしています。その中にはかなり多くの新車転売目的の方がいます。ですが、最近だけでも40万円損した方、80万円損した方がいました。。

 

かなりお客様も落ち込まれ心苦しいのですが、むやみに素人が手を出して痛い目に合った事例ですね。

YoutubeやSNSで情報を得る危険性

YoutubeやSNSで多くの中古車業界の方が、中古車相場をアップしています。

 

もちろん自分の車を売却する際や、リセールバリューが高い車を買う等の理由では非常に有効な情報元であると思います。

ですが、相場は生き物であり、変動するという事を理解しなければなりません。

相場は大きく変動するという危険性

2022年6月~9月にかけて、業者オークションの相場は歴史上最高値が付いたと思います。円安傾向が非常に強かった時期です。

この期間、例えばアルファードのS Cパッケージ(特定オプション付き)は、乗り出し500万で買える車なのですが、600万円、700万、800万と高値が更新され、8月後半~9月中旬にはなんと900万円(すべて税込み価格)で落札されていました。それ以外の車種(新車転売のいわゆる未使用車)も、新車価格より50万、100万円以上高く落札されている車が沢山ありました。

 

しかし、9月末の日銀為替介入があったまさにその次に日に、このアルファードはいっきに200万~300万円ほど価値が下がってしまい、そこから滑り台の様に中古車相場全体が下がっていきました。(それでもアルファードは黒字を出せるというすごい車ですが・・)

 

その為、相場が高い時期の情報を信じて新車購入をしたは良いのですが、納期がとても長いのでいざ納車された段階では相場が下がってしまい、車種によっては結果大赤字になってしまうという人が続出しています。本当に気をつけて下さい。

 

アルファードに関しては以下記事で詳細に書いています。

ガチの転売ヤーは存在した!アルファードの短期売買で儲かるって本当か?

 

中古車相場はいつ高くなるのか?

これ、本当に良く聞く質問で、正直困ってしまう質問です。

よく考えて頂きたいのですが、それが解っていたら中古車屋さんは苦労しません。安い時期に業者オークションで車を買って、高い時期に売る事でじゅうぶん稼げます。そんなラクな仕事があればみんなやってます。つまり、プロでも解らないんです。

 

中古車相場というのは海外輸出の需要がもろに影響します。つまり円安になれば相場は高騰しますし、円高になれば相場は下がります。皆さんは為替相場の予想ってできますか?証券会社のプロでさえ読めませんよね?つまりそれができたらFXでかんたんに稼げてしまいますから、車屋なんてそもそもやりません(笑)。

為替以外にも様々な要因があり、本当に相場は読めない、というのが回答になります。

2月が高くなる?等の情報に注意

「有名な車系Youtuberさんが、2月、3月が相場が高くなると言っていた」

「ネットで2月、3月が相場が高い傾向があると書いてあった」

これも耳にタコができるくらい聞きます。

 

たしかに、中古車相場全体のうねりの様なグラフを見ると、傾向が読み取れる様な動きが見て取れます。ただこれは全体の相場であり、特定の車種に限定すると全く無意味な情報です。

 

年明けは新型車が販売されたりする時期でもあり、そうなると2月、3月の業者オークション市場には未使用車が沢山流通します。当然価格そのものが高い訳で、そういう車が単に相場全体を押し上げている等の理由もあります。

 

正直、長年業界に身を置いている立場として、2月、3月は相場が高い!なんて業者同士の会話では一切出てきません。

特定の条件によっては高くなる場合はある

当然特定の車種や条件がハマる事によって、高く売れる傾向があったりします。

 

元々私はアフリカ諸国に中古車輸出をしていましたが、例えばケニアは7年落ちまで輸入OKの法律があります。

一番人気の「カローラフィールダーの7年落ちで且つ10万キロくらいでちょいボロい」という条件をガッツシ固定した場合は、8年落ちよりもけっこう値段が高くなるという事はあります。

 

こんな情報は世に出回らないでしょうし、まず普通知る事は無いでしょう。ただ今持っている特定の車種を高く売るための情報をゲットするという、情報を深堀する対策はありだと思います。

「この車種は●●年式が少し高い」などの情報が落ちている場合も結構あります。

 

気をつけて頂きたいのは、中古車相場全体の情報は信じてはダメ、という事ですね。

新車越えの高リセールが期待できる車種

車種というのが非常に重要なポイントになります。

ぜんぜんトンチンカンな車種を買っても100%赤字になるでしょう。また、グレードやオプション、新車購入時の値引きも非常に重要な要素になります。値引きをしないと本当に厳しい戦いになるでしょう。

また多くがトヨタ車であるという点です。やはり世界的ブランドであるからだと思います。

 

以下、過去に遥かに新車越えした車を列挙しますが、どれもどんどん下がっていて、今買ってもなかなか利益を出すのは難しいと思います。

仮に狙うのであれば、出たばっかりのSUV車が有望です。

また、グレード選びも重要で、一番人気の様なある程度の上位グレードです。外装色はパールか黒というのが無難です。

当然納期は早ければ早い程、高確率で利益が出ます。もちろん転売は良くない事ですし大きなリスクがありますので私はおすすめはしません。自己責任で。

 

結局のところ、需要と供給のバランスで相場が決まります。誰でも思いつく様に、納期が長く、なかなか手に入りにくい車を早く買えたという条件が非常に重要になるでしょう。

トヨタ ランドクルーザー

ランクルは2021年にフルモデルチェンジしました。その後速攻で未使用車がオークションに流通しましたが、300万~ 最大1000万くらい高い相場が付いています。

当然今買おうと思っても4年待ちという状況ですし、そもそも注文停止という状況です。早く納車された人は正直本音を言えば羨ましいです。

トヨタ アルファード

アルファードは上でも書いた通り異常な相場を形成した車です。主に東南アジアで人気があり、特定のグレード、オプションが付いている事、走行距離はほぼ0キロ等の条件が整うと2022年はえっらい高い相場が形成されていました。30系アルファードは相場がどんどん下がっています。フルモデルチェンジする新型車は有望株でしょう。

また、2022年の様な異常相場は今後やって来ないとは思います。2019年以前の相場であれば、とある国の輸入する関税が最も安いと言われる1年落ちのタイミングが最も高かったです。1年待って売るのであれば特に転売に該当しませんし、こういう乗り方は全然ありだと思います。

トヨタ ランドクルーザープラド

プラドの新車越えも息が長かったですが、今は難しいでしょう。ただこの車は長く乗っても、ぶつけても高いという特徴があります。

オプションを付けまくって、思いっきりその分値引きをすれば黒字化の可能性はあるでしょう。

トヨタ ライズ

発売してから約3,4カ月の間だけ、50万~70万くらい新車より高い値段で取引されていました。当然どんどん相場は下がっています。

コンパクトSUV系のトヨタ車は、出たばっかりがすごい高くなる傾向があります。

トヨタ カローラクロス

これは発売されてから、新車より80万くらい高い時期が続き、徐々に下がって行き、かなり息が長い高リセールを維持していました。

これもコンパクトSUV系のトヨタ車が高くなる傾向があった車種です。

トヨタ ヤリスクロス

これも新車より50万~60万くらい高い時期が、発売後しばらくありました。

同様にコンパクトSUV系のトヨタ車が高くなる傾向があった車種です。

トヨタ ヴォクシー ノア

新型ヴォクシーも、かなり息が長い高リセールが続いてました。40万前後新車より高かったです。ノアよりヴォクシーの方が高い傾向があります。いつまで続くかは不明ですね。

トヨタ プリウス

新型プリウスは、70万前後新車より高かったですが、速攻で下がりました。

ホンダ シビックタイプR

スポーツカーも往々にして高リセールがあり、100万~200万以上新車より高い値段が付いているケースもあります。

ただ、納車が増えて来るタイミングで、毎週のようにドッカンドッカン相場が下がっています。また、パールや黒などの色よりも、グレーなどの希少系カラーがぜんぜん高い傾向があったりします。赤や青というのはちょっとリスクがある様に思いますが、高い場合もあるので、そのスポーツカーにあったカラーの需要予測が大事ですね。どうやって予測すればいいのか解りませんが。。

トヨタ クラウンクロスオーバー

新型クラウンも、発売当初は100万くらい高かった時期がありましたが、息は短かったです。あっという間に下がりました。

スズキ ジムニー ジムニーシエラ

ジムニーとジムニーシエラは、かなりお化けの様な高リセール車です。

現行モデルが2018年に発売されましたが、それまでずっと新車越えリセールが続いています。特にオートマ車です。

 

売る時は自動車ローンに気をつけて

すぐに売却するのであれば現金でポンと変えれば良いですが、ローンを組む場合は車の所有権が絡んでいるので、ディーラーの信販系ローンよりも銀行ローンがおすすめです。

良かったら下記も読んでみて下さい。

自動車ローンは地方銀行が一番!安い金利で借りよう!借換えもしよう!

 

高リセールが期待できるオプション

これは、何も転売目的ではなく、普通に乗る場合においても高リセールが期待できるオプションです。

・サンルーフ パノラマルーフ

・寒冷地仕様

・両側パワースライドドア

・LEDヘッドライト

これらの共通として、新車購入時でしか付ける事ができないオプション です。

 

逆に、ナビやエアロなど、後からどうにでもなるオプションにおいては、買った当時の価値を上回るという事はあまりありません。

(ランクルはフルエアロが必須レベルで高いです。ただ長年乗ったり、突然何らかの価値が無くなったり、こういうのはプロでもさっぱり解らんです)

車種だったり、時の運というのも多分にあり、プロでも読めないケースバイケースの要因があるので、一概にこれが正しいという訳ではないのは気をつけて頂きたい点です。

 

パノラマルーフはかなり有望株のオプションです。未使用車の相場を見るとオプションの値段よりも高く評価されているケース(20万で付けた ⇒ 結果30万~40万価値が上がっている)が多いです。ただ中古車になって長年乗って売却すると、5万~10万くらいのプラスだったりします。

 

ただ、昔流行ったVIPカー系セダンの場合だと、古い中古車がサンルーフ有と無しで、かなり大きな差になったりもあります。

 

ミニバンの両側パワースライドドアも、中古車になって長年乗ると、有りと無しで、10万くらいの開きがあります。最近のヴォクシーやアルファードなんかは最初から標準装備の車が多いですが。

 

自動ブレーキ等の安全装備なども今後重要な高リセール要素になるのではないかと思います。寒冷地仕様はそもそも金額が安いので、穴場の高リセールオプションですね。

 

これがあれば絶対!というのはそもそもありませんが、最近はある程度の上位グレードだと大抵ついているオプションなので、そういうグレードを購入するのが、長く乗るにしても無難かもしれません。

 

最高額で売らなければ意味が無い

こういう事を学んでも、今乗っている車を安く売ってしまっては全く意味がありません

 

私自身が元買取店だったので、高く売るためにはこの車売却サービスを使え!逆に使ってはダメ!というサービスもあります。

 

こういう記事を読む方は、まさかディーラー下取り、中古車屋さんの下取り、買取店1社だけの査定、で売るとは思えませんが、とりあえず比較しないと高く売る事は不可能です。まあ皆さんには釈迦に説法でしょうかね。

 

世には数多くの車売却サービスがあると思いますが、ぶっちゃけあまり良くない(高く売れない)売却サイトが多くありますので、よかったら以下のページでプロとして本当にオススメできる売却サイトを紹介しているので見てみて下さい。

車を【最高額で買取査定してもらう】根本的解決方法は?

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