【プロが教える】自動車ローン残債(残り)がある車を売る!査定額よりローンが多くても売れる?

元買取店店長のサトーです。

買取店をやっていた時、よーくこんな質問を聞きましたね。

①「まだ自動車ローンが残ってるんですが・・車売れますか?」

②「車の価値よりも、自動車ローンの残りの金額の方が高い気がするんですけど・・それでも売却可能ですかね?」

③「車検証の所有者が、ローン会社、または自動車屋さんの名義になってるんですけど・・所有権解除?をする必要があるんですよね?それでも売却可能ですか?」

まあざっと、現在ローンが残っているお客さんは、こんな感じの質問がほとんどでした。

 

結論から言いますと、はい、もちろん売れますよ!

具体的に、どうすればいいのか、どういう手続きを取ればよいのか。上の①~③を説明していきます。

 

その前に一つ言わせてください。

ちなみに、プロから言わせてみれば、もっとも大切な事はちゃんと高く売却する事です!

ローンが残っている車を売れるのかな、という事にフォーカスしてしまうと、業者側からすれば、安く買い叩きやすい隙を与えてしまうんですよね。

もっともっと大事な事を考えた方がよいです。

 

世の車屋さんは、

高価買取!

どこよりも高く買います!

とかテレビ、ラジオ、ネット、雑誌でどこもかしこも言ってますが、

本当は・・

安く買いたい!

安く買えれば買えるほど嬉しい!

安く買い叩きたい!

これが、本音なんです。

 

自動車ローンがある車を売る手続き等のやり方

更に、高く売る方法を

プロが教えます。

 

ではまず、

①「まだ自動車ローンが残ってるんですが・・車売れますか?」

ここから説明していきます。

自動車ローンが残っていても車は売れますよ!

はい、売れます!

ここで、ローン残金よりも買取価格が高い場合と、逆に買取価格の方が低い場合があります。

それらのケースで対応がまったく変わりますので、細かく説明していきます。

 

ローンの残金よりも、買取価格の方が高い場合

自動車の買取金額が100万円だったとして、ローンの残りが60万円だったとします。

つまり買取価格がローンの残金よりも高い場合は何も問題ありません。

この場合は、ほとんどの場合買取会社が立て替えてローン会社にローン残金の60万円を清算手続きをする代わりに、差額の60万円をお客さんにお渡しします。

ただ車の査定時には、ローン残金がいくら残っているのかがわかる書類や、無ければローン会社名だけはちゃんと覚えておくようにしておいてください。

買取会社やディーラーは、本当に残金が残りいくらなのか?が解るようにその場でローン会社に残金を確認する必要があるためです。

 

各社対応はまちまちですが、多くが建て替えを代行してくれます。買取会社によっては買取全額全額をお客さんに払ってくれる場合もあって、受け取った金額からお客さんが自分でローン会社に残金を支払うケースです。でもめったにそういうケースはないでしょう。多くは、買取会社やディーラーが立て替えるのが普通です。

 

車検証を見てみて下さい。所有者がご本人の名義(使用車ではなく、所有者という欄です)の場合は、ローンが残っていたとしても、買取会社は普通に全額を振り込んでくれますので、ローンが残っていない車と同様に売却が可能です。そして、受け取ったお金で返済をして下さい。

 ただし、稀に銀行やローン会社独自の規約があったりしますので、売却前には売ってよいのかを必ず銀行に確認をして下さい。

 

一般的にローンが残っている車と言うのは、所有権がついています。所有権とは車検証上の所有者(使用者では無いです)が業者名義になっていたり、ローン会社名義になっている車の事です。そういう場合は、ローンの完済が確認できていなければなりません。なので、買取会社もディーラーもせっかく買取したはいいが、所有者である業者やローン会社に所有権解除ができなくなり、名義変更ができなくなってしまうんです。

そのため、基本的にはお客さんご自身にローンの完済をしてもらうのではなく、買取業者がお客さんに変わってローンの返済を立て替えて、買取価格の残りをお客さんに支払う、という業者側の安全策を取るのが通例となっています。

とにかく、ローンよりも車の買取価格が高ければ、

・ローンを立て替えて残りを支払ってくれる

・受け取った買取金額からローンの残りを支払う

それだけですので、何も心配しなくてOKです。

基本、業者にまかせましょう。

それよりも、しっかり高く売却する事を考えましょう。

 

次に、②番の質問、

②「車の価値よりも、自動車ローンの残りの金額の方が高い気がするんですけど・・それでも売却可能ですかね?」

を説明します。

買取価格よりも、ローン残金が多い場合

実際の買取、下取り価格よりも、自動車ローンの残りの金額(残債の元本)が上回っている場合は、売れないんです。

いや、正確に言うと売れるんですが、売るには頭が出た分を自分で支払う必要があります。せっかく車を売却するというシーンで、悲しいけど自分のお金は増えず、ローンの金額の方が大きいから、逆に支払う必要があるという事です。。こういう方めちゃめちゃ多いんですよね。車を買う時はとても高いんですが、売る時って、車種によってとても安い事が本当に多いです。

そこでこの場合は、売る方法は2通りあります。

 

まず一つは、

差額を、現金で支払う方法です。

例えば、車両の買取金額が50万円でした。

自動車ローンの残りの金額は、60万円でした。

この場合は、10万円を現金で買取業者やディーラーに支払えば、売れます。

もう単純に、今手元に差額の現金があれば、それを手渡しなのか振込なのかは業者によってわかりませんが、それで売却が可能になります。

 

 

もう一つは、この差額の10万円が手元に無い場合です。

そういう場合は、多くの業者が組み換えローン、というものを提案してきます。

この差額10万円のローンを組むんです。

ちょっと悲しい話ですが、車の価値の劣化って、すごいスピードで進みます。車を50万円で売って、残りの足りない10万円のローンを組むんです。。そうしたら、売れます。で、泣く泣くお客さんは車を売ってしまうわけです。。

 

ただ!ここで言いたい事があります!

本当は50万円の買取金額ではなくて、100万円の価値があったかもしれないんです!

どういう事かと言うと、最初にも書きましたが、業者サイドはとにかく安く買うのが仕事なんです。

 

「自動車ローンが残っていて、ローン残金よりも車の買取価格は高いですかね?」

こーんな質問をお客さんからもらうと、

業者としては、

「お、しめしめ~、お客さんは、この車の本当の価値をまだぜんぜんわかっていないな。お客さんに、ローンの残金を聞いてみよう。おっ!なんと60万円か、という事は、お客さんは車の価値を、60万円もしないと思っているという意思表示だから、安く買えるな、よ~し、ちょっと安い金額を提示して様子を見てみよう。フフフ」

 

こんなことを思っています。

ひどい話だと思うかもしれませんが、これが普通です。買取店など、業者側は必死です。

私がいた会社もそうでしたし、今も買取店で働いている友人に聞いても、実際の買取店などの現場は、本当に安く買う事だけに命を懸けて仕事をしています。

安く買って利益を出さないと、上司から地獄のような扱いを受けるんです。利益を出していない社員は、ほんとうにゴミ同然に扱われますので、追い詰められている状況で仕事をしています。。なので、めちゃめちゃ必死に、安く買う事だけを常に考えて仕事をしているんです。

 

だから、

お客さんとして最も重要な事は、

業者の限界金額を提示してもらう事なんです。

これだけは忘れないで欲しいです。

高く売る事!

安く買い叩かれない事!

これが本当に一番大切な事です。

後ほど説明していきます。

 

③番の質問

③「車検証の所有者が、ローン会社、または自動車屋さんの名義になってるんですけど・・所有権解除?をする必要があるんですよね?それでも売却は可能ですか?」

業者やローン会社名義の車検証の必要書類は?

上でも少し書きましたが、自動車ローンを組んで買った車の車検証を見てみると、ほとんどが所有者名義を見ると、ローン会社名や自動車屋さんの業者名義になっています。そして、使用者 という欄は、あなたの名前になっていると思います。

※ 実質の車の持ち主は、車検証上の「所有者」になります。「使用者」ではないです。

 

自動車ローンを組むと、支払いが完了するまでは、ずーっと車は、ローン会社や自動車屋さんの所有物なんです。ローンが完済していても、「所有権解除」という手続きをしてなければ、ずーっと車検証の所有者は、業者名義のまんまです。

 

つまり、車を売る時には、「所有権解除」という手続きが必要になります。所有権解除とは、車検証の「所有者」を ⇒ 自分名義に変える作業のことを言います。

基本、買取会社やディーラー、中古車販売店に車を売却する場合は、所有権解除はぜんぶ代行してくれます。ただ、自分でやってみたい、個人売買で自分でやる必要がある。などの事情の方には必要な作業になります。

 

所有権解除の手続きですが、

まず大前提として、ローンが完済している事が絶対条件になります。

車検証の「所有者」に書いてあるローン会社、または自動車屋さんに電話をして、

「ローンが完済したので、所有権解除をしたいです」

と話せば、取り次いでくれます。

そうすると、ローンが完済しているかどうかを確認してくれます。

 

完済していることが、ローン会社や自動車屋さんで確認が取れると、所有者名義になっているローン会社か自動車屋さんから、以下の書類が郵送されてきます。

・ 印鑑証明書原本

・ 委任状

・ 譲渡証明書

 

これらを元に、陸運局に行って、名義変更ができる訳です。そうすると、新しい車検証の「所有者」のところも、自分の名義になり、正真正銘、自分の財産となるわけです。

 

ただ注意点として、上記の書類は原則再発行不可のため、扱いは慎重にしてください。

ローンが完済していても、車検証の名義は特に変える義務もありませんので、そのままの状態で問題はありません。

名義が本人になっていない事に良い気分がしない方もいると思いますが、そういう方はご自身でチャレンジして見て下さい。こちらの別の記事で所有権解除の方法や必要書類などを詳細に記載しています。

【徹底的に解説】車の所有権解除とは? 所有権解除のやり方 必要書類

とにかく、売却時には勝手にぜーんぶ業者がやってくれます。

 

でも、一番怖いのは、

自分の車の価値を、素人が勝手に想像してしまう事です。

さっきも言いましたが、まずは、高く売る事だけを考えましょう。それだけを考えていれば、結局のところローンの事も書類の事も、ぜんぶ業者が対応してくれます。

 

え?

「だいたいの車の価値は想像できるから」

こんな声が聞こえてきそうですが、

本当に、知っていますか?

 

もしかしたら、すごい価値があるかもしれませんよ?

まず、質問しますが、

あなたは、海外の輸出相場を知っていますか?

ぜったいに、知らないですよね?

中古車には、

一般の人が知らない、輸出相場があるんです。

 

実は、日本人が手放す車の3分の1くらいは、

海外に輸出されているんです。

新品に近い様な新しい中古車屋、

すごい古くて、走行距離も10万、20万キロ、

こんな車でも、

めっちゃ高く海外輸出されている中古車が、

ゴロゴロあります。

 

しかも、まったく同じ車でも、

車体番号が違うだけで高く売れたり、

年式が1年違うだけで高く売れたり、

こういった事が色々あります。

これは、海外各国が中古車を自分の国に輸入する時の規制が要因だったりします。

〇〇年式だけ輸入OKとか、

〇〇の車体番号以降だけ輸入OKとか、

こういった理由で、全く同じ車でも、ぜんぜん車の価値が違う、

こういう事があるんです。

 

一般の人は、こんなこと絶対に知らないので、

「まあ値段がついても、10万円くらいかな・・」

そう思っている車が、

なな、なんと!

50万、100万円で取引されている事も良くあります。

 

僕は、以前アフリカ、アジア、カリブ海、ヨーロッパ諸国などの国に、

中古車の海外輸出をする仕事をしていました。

海外では、車は30年くらい乗りますし、

100万キロくらい乗ります。

というか、壊れる限界まで乗ります。

エンジンが生きていれば、ボートの動力に使ったり、

そんな感じで使います。

 

アメリカやヨーロッパなどの先進国でさえ、

車は20年、30年乗りますし、

何十万キロも使います。

 

世界中で、車に異常なほどぜいたくな国があります。

それが、日本です。

 

日本人は、

たった10年とか、

たった10万キロとか、

その程度で = 廃車

とか思い込んでいます。

 

これは、世界中の国の人から言わせてみれば、

異常な考え方なんです。

日本は、世界で一番車にぜいたくな国と言っても良いです。

日本は自動車生産国で、さらに国が自動車生産する企業を色々支援しています。

 

なので、どんどん新車は生産されるため、

たった、10年、たった10万キロで、

自動車の価値が、ガックンと下がるんです。

そこは、世界的にみると、非常においしい中古車市場なんです。

 

だから、海外の中古車バイヤーは、

日本の中古車をすごい競争入札して買います。

 

日本人が、買取店や新車ディーラー、中古車店などで、

買取り、下取りしてもらった車は、

もうほとんどが、中古車オークションに出品されます。

 

日本で一番大きい中古車オークション会社は、

USSっていう会場です。

まず、知りませんよね?

でも、東証一部上場の大企業です。

ハッキリ言って、中古車業界の人は、知らない人は居ません。

その他にも、

TAA(トヨタオートオークション)

NAA(ニッサンオートオークション)

HAA(ホンダオートオークション)

など、それ以外にもたくさんあります。

 

こういった業者オークション会場は、

一般の人に例えるなら、セブンイレブンくらい有名だし、

それ以上に、電気、ガス、水道といった生活インフラくらい必要なものです。

 

もしあなたが、

「こういった業者の存在すら知らない」

「少し聞いたことがある」

その程度の知識しかない様であれば、

安く買い叩かれてしまう消費者の可能性は大です

 

こういった業者オークション会場に行くとびっくりしますが、

もう外国人バイヤーだらけで驚きます。

さらに、世界中のバイヤーがインターネット中継を見て、

リアルタイムで、車の値段を吊り上げて、入札しているんです。

 

え?うそ? こ、こんな車が100万円??

こんな事が、毎日オークションでは行われています。

たった1週間で、数万台が海外に輸出されていきます。

それだけ、外国から欲しい人がこぞって買いに来るんです。

 

そして、一般の人が、絶対に知ることができない、

海外輸出相場が、そこで形成されています。

 

買取店などの業者は、

こういった海外輸出相場を知っていて、

一般の人が、

「まさか自分の車がそんな値段はつかないだろう」

そういった思い込みや、無知を逆手にとって、

すっごい安~く買い叩いてしまう事ができるんです。

 

だって、普通に考えてみてください。

冷静になれば、当たり前だと思うはずです。

買取りや下取りって、とどのつまり、

仕入れ なんです。

 

世界中のどこに、

仕入れを高く買いたいと思う会社が存在するでしょうか?

もしあったとしたら、

企業として、存続できないで必ず倒産します。

 

実際、買取店などの営業成績は、

買取台数ではありません。

すべて、利益で成績がきまります。

 

利益とは、いかに、安く仕入れたか

これだけが、営業成績のすべてであり、

車屋さんが生き残る、たった一つの道と行っても良いです。

 

ひと月に、

30台買取して、300万の利益をだした営業マンよりも、

10台買取して、500万の利益をだした営業マンの方が、

評価されるんです。

 

そして、完全な実力主義の体制をとっていることがほとんどのため、

成績の低い営業マンは、年齢とか関係なく、

ほんっとうに、ゴミクズのように扱われます。

 

安く買い叩いて、利益をいっぱい出す営業マンは、

ものすごい短期間に、どんどん出世をして、給与も何倍ももらえます。

 

なので、本当にみんな必死に、

一般の人の海外相場を知らない、という事を最大に利用して、

安く買おうとしてきます。

 

なんだかえげつない話に聞こえるかもしれませんが、

買取りや下取り、もう本当にたくさんの企業が競争しており、

安く買える時は、本当に安く買わないと、

生き残っていけないんです。

どんな会社でも、大なり小なり、利益を追求しなければいけません。

 

 

実際、僕はこういったお客さんをだますような感じがイヤで、

自分で独立して、なるべく高く買取りをする買取店をがんばって始めたんです。

でも結局は、お金が持たず、倒産してしまった過去があります。

安く買い叩くとか、聞こえは良くないですが、

これはどうしても、会社として避けて通れない道です。

 

でも、あなたが車を売る時、

やっぱり安く売るのは、イヤですよね?

当然、高く売りたいですよね?

 

とにかく一番大切な事は、

業者のぎりぎり限界の金額を提示してもらう事

それが重要だという事です。

じゃあどうすればよいのか?

次ページで説明していきます。

車を【最高額で買取査定してもらう】根本的解決方法は?

 

購入を検討中の方はこちらで記載しています。

新車の購入、中古車の購入、安く買いたいなら?